おいたち5

中学の頃、確か夏休みに、おいでと誘われ東京に遊びに行った。母がgと付き合って1年目くらい。母は私とgとをあわせたかったそう。正直少し嫌だったけど人生経験だとわりきり会った。gはスキンヘッドでムキムキのタトゥーだらけの大男だった。別にタトゥーにもスキンヘッドにも偏見なんてないけど中学生の私にはとても怖くみえた。私に対するgの優しさは私を利用して母に気に入られようとする下心に見えて全然嬉しくなかった。

おそらくgと同棲してるであろうマンションへ。正直ちょっと気持ち悪かった、女としての母を見たくなかった。

夜寝る時に母とgが喧嘩してた。よりによって子供が泊まりに来てる時に彼氏との痴話喧嘩聞かせるとか最低かよ。来る前に済ましとけよ。なんだか悔しくて仕方なくてトイレで声を殺して泣いていた。この時ほど歳の近い兄か姉が本当に欲しかったことはない。この辛さを一緒に味わって共有したかった。このモヤモヤを代わりに母親に伝えて欲しかった。辛かった。